南谷助教の英語論文がBMC Public Healthに掲載されました。
Adherence to national guidelines for colorectal, breast, and cervical cancer screenings in Japanese workplaces: a survey-based classification of enterprises’ practices into “overscreening,” “underscreening,” and “guideline-adherence screening”
DOI: https://doi.org/10.1186/s12889-024-19775-1
背景:
職域がん検診は従業員の福利厚生の一環として決定されており、検診は肯定的に受け止められている。
しかし、日本における職場のがん検診プログラムの現状は不明である。
本研究の目的は、日本の企業における職場における大腸がん、乳がん、子宮頸がん検診に関する国のガイドラインの遵守状況を評価し、検診の過不足に関連する要因を特定することである。
方法:
横断研究デザインを採用した。データは、「がん対策推進企業アクション」が2022年11月から12月にかけて
日本国内の登録協力企業を対象に実施した調査から得た。
調査には、背景特性、がん検診の実施状況、介入アプローチに関する質問が含まれていた。
分析対象は、大腸がん、乳がん、子宮頸がん検診について完全回答を得た432企業であった。
結果:
職場における大腸がん検診、乳がん検診、子宮頸がん検診のガイドライン遵守率は、
それぞれ12.7%、3.0%、8.8%であった。企業は地方自治体よりも検診ガイドラインの遵守率が低かった。
大腸がん検診(70.8%)と乳がん検診(67.1%)は 「過剰検診」、子宮頸がん検診(60.6%)は 「過小検診」に
分類された。企業規模、健康保険組合、介入アプローチの数などの因子は、「過剰検診」の増加と有意に関連し(101~1000:β=0.13、p=0.01;1000以上:β=0.17、p<0.01;健康保険組合:β=0. 23、p<0.01、およびアプローチ:β=0.42、p<0.01)、「過少検診」の減少と有意に関連した(101-1000:β=-0.13、p=0.01、1000以上:β=-0.17、p<0.01、健康保険組合:β=-0.18、p<0.01、およびアプローチ:β=-0.48、p<0.01)。
結論:
職域における大腸がん検診、乳がん検診、子宮頸がん検診に関する国のガイドラインの遵守は、日本の企業において最適ではなかった。したがって、ガイドラインの遵守を確保し、潜在的な有害性を最小限に抑えつつ検診の有益性を最適化するための適切ながん検診対策および介入を早急に実施すべきである。